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新しい栄養学

2016年10月15日 土曜日

街を彩る色鮮やかな紅葉に、心も彩られる今日この頃、皆様お元気にお過ごしでしょうか。
今までの栄養学では、炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルの五大栄養素が、人が生きていく上で必要な栄養素としてもてはやされました。もちろんこれらの栄養素も大切ですが、分子栄養学の発展により、見えてきた新しい栄養学では、私たちの生命を維持する上で最も大切なものは「酵素」だということです。
「酵素」は食べたものを消化吸収するばかりでなく、息をしたり、筋肉を動かしたりと、一切の生命活動に関与しています。もし、酵素の働きがなければ、人間も動物も生きることはできません。いわば、生命活動の主役であり、源です。
「酵素」はよく職人に例えられます。ビタミン・ミネラルは「酵素」を助ける補酵素であって、職人の使う道具のようなもの。炭水化物・タンパク質・脂質はその材料。どんなに良い道具・良い材料が揃っていても「酵素」という職人が働いてくれなければ、それらは無意味なものと化してしまいます。
職人たちがきちんと仕事をすれば丈夫で長持ち・使いやすくて住みやすい立派な家ができるのと同様に、酵素が五大栄養素に働きかければ、身体も健康なバランスを保つことができます。反対に酵素が五大栄養素にきちんと働かなければ、健康なバランスが保てず、やがては病気を引き起こすのです。
例えば牛乳や乳製品が挙げられます。戦後の「栄養改善運動」によって牛乳は「完全栄養食品」と教えられてきました。
しかし、牛乳に含まれている乳糖を分解する「ラクターゼ」という酵素を、乳児期以外の日本人はほとんど持っていないことが解りました。乳糖を分解できない人は、牛乳を飲んでもカルシウムは吸収できません。
さらに、ヨーグルトやチーズ等の乳製品は加工段階で、乳糖がグルコースとガラクトースに分解されています。しかし、ガラクトキナーゼという酵素も乳児期以外の日本人は持っていないので、ガラクトースをグルコースに変換できません。そこで分解できなかったガラクトースは、目の水晶体にたまり白内障になってしまいます。
このような酵素による消化ができない未消化物質は、栄養にならないだけではなく、毒素となり腸を傷め、アレルギーや様々な病気を引き起こす原因にもなります。
そうならないためには、食物酵素を多く含むもの(生野菜や発酵食品)を摂り入れ、歯の形に合った、米(玄米)を主食とした日本古来の和食を心がけて消化酵素を節約することが、体内の酵素(代謝酵素)が大いに力を発揮して、健康な体を作ることに繋がります。
私たちは、これまでの食の常識を見直す時ではないでしょうか。

五大栄養素と酵素の関係

五大栄養素と酵素の関係