プラスチックゴミ問題
コスモスの花が秋風に揺れる季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。今月は、ウミガメが鼻にストローを詰まらせ苦しんでいる動画がSNSで拡散された事がきっかけで世界中で関心が高まっている「プラスチックゴミ」について調べてみました。
プラスチックは自然分解されずに半永久的に残る特徴があり、その為に世界ではプラスチックゴミが最終的にどんどん海に流れ込み深刻な事態をもたらしています。
プラゴミ(プラスチックゴミ)が海底に沈み、海洋生物が餌と間違えて飲み込み、死に至ったり、破片で体が傷ついてしまうだけではありません。紫外線等の影響で劣化し、5㎜以下のマイクロプラスチックとなるものと、研磨剤や化粧品等に広く使われている0.1㎜以下のマイクロビーズがあります。
これらが世界中の海に漂い、有害な化学物質をも吸着し、これを魚や貝が食べ、体内に有害物質を取り込んでしまいます。食物連鎖の過程でこれが繰り返されると、有害物質の濃度が高くなり、生態系に影響が出る恐れがあると言われています。
ゴミのキーワード「3R」
・リデュース(量を減らす)
・リユース(繰り返し使う)
・リサイクル(資源として再利用)
日本ではゴミの分別を積極的に取り組み、リサイクルに出してプラゴミを減らす努力をしてきました。しかしリサイクルに回せるのは家庭できれいに洗って分別されたものです。事業所や公共の場で出たプラゴミは汚れていて、国内ではリサイクルされずに中国に買い取ってもらっていました。中国は人件費が安い為、石油から新たに作るより、買い取ったプラゴミを洗浄しリサイクルした方がコストを抑えられるからです。しかし洗剤による土壌汚染が深刻化して’18年1月に買い取りをやめてしまいました。これにより、日本や欧米で行き場を失ったプラゴミが滞り、待ったなしの状態になっているのです。
また日本でプラスチックを再利用する為の焼却炉を建設するには100億円、稼働するには年間2億円以上かかり、さらに施設の寿命は30年程度なので、また100億円かけて新しいものを作らなければなりません。そして古い焼却炉には高濃度のダイオキシンや重金属等が含まれているので、解体にはさらに膨大な費用がかかってしまうのです。リサイクルにかかるエネルギーとコストを考えると、今求められているのはリデュース(量を減らす)なのです。
毎日の生活の中で必ず目にするプラスチック。そのプラゴミを減らす事は、自然環境の為だけではなく、巡り巡って私達の健康の為でもあるのです。ストローはもちろん、レジ袋やペットボトルを使わない等、今一度、便利過ぎる日常を見直して、私達が出来る事を始めていきませんか。
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