「カロリーゼロ」なのに…

風薫る5月の空に鯉のぼりが泳ぐ季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。今コンビニやスーパー等で「カロリーゼロ」「カロリーオフ」「ノンシュガー」と謳われる食品や飲料が満ち溢れていますね。今月はその「カロリーゼロ」について調べてみました。

ダイエット系に限らず、食品や飲料の多くに、砂糖の代わりに人工甘味料が使われています。現在、日本で認可されている人工甘味料は、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、アドバンテームの6種類です。これらは砂糖に比べてカロリーこそ少ないものの、注意すべきは、世界中の研究でその“副作用”が指摘されていることです。

イスラエルのワイツマン科学研究所では、人工甘味料が腸内細菌に作用してバランスを乱し、さらに血糖値も上昇させることが分かったそうです。腸内細菌が糖尿病に影響することはすでに実証されているのですが、人工甘味料によって乱れた腸内環境が作られ、すい臓に負担をかけ、糖尿病や肥満に繋がる危険があります。また、腸内の善玉菌を減少させたり、代謝異常や免疫低下等も引き起こすそうです。

ハーバード大学の研究報告では、人工甘味料入り炭酸飲料を毎日2缶以上飲む人は、飲まない人よりも腎臓機能低下のリスクが高まることが指摘され、コロンビア大学の調査で脳卒中や心筋、血管系疾患の発症リスクが高まることも分かりました。さらに、神経伝達物質をつくるチロシン等の働きを妨げ、うつや不安、不眠等の症状を起こすそうです。

また、人工甘味料の甘さ(砂糖の数百倍以上)が脳内報酬系やドーパミン等の神経伝達部物質を分泌させ、これらの乱れが、強烈な依存症を起こすそうです。さらに人工甘味料を長く摂取すると体重増加と関連することも分かっています。

まさに「百害あって一利なし」ですね。カロリーオフで健康を気遣うつもりが、寿命を縮めるのではシャレになりません。安易にカロリーゼロ食品・飲料に手を出すのではなく、まずは生活習慣や食生活を見直す所から始めてみませんか。

※脳内報酬系

心地よいことが起きた時に活性化し、「快感」を感じさせる脳内システムのこと。

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№132 玄米で「中華おこわ風炊き込みご飯」にチャレンジです。

干し椎茸や干しエビの旨味がギュッとご飯に沁み込み、黒米でもっちり仕上がりました。竹の皮や笹の葉に巻いてちまき風にも♪ぜひお試しください。

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◇材料(4人分)
・玄米   3合
・黒米   大2
・干し椎茸 4枚
・干しエビ 大2
・水煮筍  100g
・人参   1/2本
・ぎんなん 8粒
・クコの実 15g
・生姜   1片
・白ネギ  10cm
・青ネギ  適量
・ごま油  適量
〈A〉鶏がらスープの素 大1・酒 大1・みりん 大1・醤油 大2・戻し汁(椎茸・エビ)400㎖

①玄米は一晩浸水してザルに上げておく。

②干し椎茸、干しエビ、クコの実はそれぞれ戻す。戻した椎茸、干しエビと筍、人参は1cm角に切る。
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③白ネギと生姜はみじん切り、青ネギは小口切り。
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④フライパンにごま油をひき③を入れ香りが出たら②を入れて炒める。
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⑤炒めたら〈A〉を加え、中火弱で5分程煮る。煮あがったら、具と煮汁に分けておく。
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⑥炊飯器に①の玄米と黒米、戻し汁、⑤の煮汁を入れてから炊飯の定位置線まで水を足し、⑤の具とぎんなんとクコの実をのせ、炊飯。
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⑦炊きあがったら良く混ぜる。
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⑧お好みの形に握り、器に盛って小口切りした青ネギを飾って完成。

花粉症と腸内環境

やわらかな春風に心華やぐ季節となりました。一方で花粉症の方にとっては悩ましい季節到来ですね。今月は「花粉症」について調べてみました。

私達の体には、体外から侵入する細菌やウイルス等を排除して正常に保つ、免疫機能が備わっています。この免疫機能が、本来無害な物質に対して過剰な防衛反応を起こしてしまうことをアレルギーと言い、花粉症もその一つです。

原因となる花粉(アレルゲン)が体内に入り込むと、それに対抗するための「IgE抗体」が作られます。そしてIgE抗体の量が一定のレベルを超えると、免疫反応によって、くしゃみや鼻水といった症状を引き起こすのです。花粉症の直接の原因はIgE抗体と言えますが、発症には、様々な要因が考えられています。特に注目されているのが、腸内の免疫バランスの影響です。

腸には、免疫細胞の約70%が集中しており、人の体の中で最大の免疫器官と言われています。免疫システムの中心となる免疫細胞には、大きく分けて「Th1」と「Th2」という型があります。この2つはお互いにシーソーのようにバランスをとることによって免疫システムが正常に作動しますが、Th2が優位になると、IgE抗体の量が増え、花粉症等のアレルギー症状が起こりやすくなってしまいます。腸内細菌の善玉菌を増やすことで、免疫バランスを正常に戻し、腸管バリア機能を高め、アレルギー体質が改善されます。ぜひ次のようなことに気をつけていきましょう

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腸のバリア機能アップ

食物繊維やオリゴ糖は、腸内細菌の餌となり、腸のバリア機能を高め、アレルギーの原因となる炎症を抑えてくれます。

また青魚のDHA、EPAは血流をよくし、抗アレルギー作用があります。

日本の伝統食材は善玉菌の宝庫!

納豆に含まれる納豆菌や、みそに含まれる酵母菌、漬け物・しょうゆ等の発酵食品は善玉菌の宝庫。これらを使う昔ながらの和食は腸内環境を整えます。

腸に負担がかかる食材を控える

小麦製品に含まれるグルテンは、腸の炎症を起こすといわれ、肉類は消化が悪く腸内環境悪化の要因になります。アルコールはむくみを引き起こし鼻炎症状を悪化させたり、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンを増やします。砂糖を多く使用したお菓子は体を冷やし、免疫機能を低下させアレルギー反応が起こりやすくなります。またストレスは副腎の働きを弱め、アレルギー症状が出やすくなります。

さあ、今こそ毎日の食事を見直し、腸内環境をコントロールすることで、アレルギーに強い体を作っていきませんか。

№131 玄米ご飯で「桜餅風 筍ご飯」にチャレンジしました。

旬の筍が手に入ったら是非食べたい筍ご飯ですが、ちょっとアレンジ!桜の葉と花の塩漬けを使って見た目にも春らしいおにぎりです。葉と花から残る塩気が筍ご飯と相性が良くて、さらに手を汚さずにいただけるという…(笑)言うことなしの一品となりました。是非お試しください♪

number131 2019.03.15 続きを読む »

質の良い睡眠って何だろう?

日毎に感じる春の気配に、心もうららかな今日この頃、皆様お元気にお過ごしでしょうか。今月は「質の良い睡眠」について調べてみました。

そもそも「睡眠の質」とは何でしょうか?それは「眠りの深さ」だそうです。しっかり熟睡できていると質の高い睡眠がとれたと言え、翌朝は昨日の疲れがスッキリ解消され目覚めも良いのです。

睡眠の質は、体温調節や体内修復・成長に関連するホルモン分泌と相関関係があり、体内の代謝活動促進・自律神経のバランスを整えます。睡眠の質を向上させるほど、疲労から心身を回復させる効果があり、肉体疲労は勿論、脳のように目に見えない部分に蓄積した疲労を取り除き、美容や成長の促進・健康維持、ダイエット・スポーツのパフォーマンスアップ等様々な効果をもたらします。

ではどうしたら質の高い睡眠を取れるのでしょうか? 睡眠にはレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の2種類があります。眠っている時、このレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返します。そして眠り始めた最初の3時間にノンレム睡眠は集中していて、全体の8~9割を占めていると言われています。この最初の3時間の睡眠を安定させることが、睡眠の質を上げるコツになります。そのためには…

・適度な運動

適度な運動は熟睡を誘います。日中運動を行うと、生活のリズムにメリハリが出て、自然な眠気から睡眠に繋がります。その為中途覚醒が少なくなり、熟睡することが多くなりま す。また眠る前のストレッチは筋肉の緊張を解き、リラックス効果があります。

・朝は太陽の光で起きる

太陽の光には体内時計を整える働きがあります。朝起きたらまずカーテンを開けて太陽の光を部屋に入れる習慣をつけましょう。

・就寝3時間前には夕食を済ませる

就寝時には消化活動が終わっていることが理想です。食事後すぐに寝てしまうと、体は消化活動を優先する為、内臓が休息する時間が短くなります。同じ睡眠時間でも、眠りが浅くなり疲れが抜けにくくなります。

・寝る1~2時間前の入浴

38~40℃のぬるめのお湯に10~30分浸かり体をじっくり温めることで、深部体温が上がり、リラックスや疲労回復効果も期待できます。深部体温が下がり始めると眠気が起こるので、寝る1~2時間前の入浴が理想です。

・温かい飲み物で眠気を促す

温かい飲み物は、内臓から体温上昇を促します。体温が下がり始める時に自然な眠気がおきるので、睡眠前のリズムを作るのにお勧めです。特に白湯は胃腸に負担をかけず体を温めることができます。

さあ、今日から質の良い睡眠を心がけ、清々しい一日の始まりで活動的に過ごしていきましょう。

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№130 玄米ご飯で「3色押し寿司」にチャレンジです。

牛乳パックで型をつくり、お手軽に、ちょっと華やかな押し寿司は、桃の節句やおもてなし料理にピッタリです。
具材はお好みで変えてアレンジも楽しめますね。我が家の子供も楽しんで完食してくれました!簡単なのでぜひお試しください♪

number130 2019.02.05 続きを読む »

温活のススメ

寒さ厳しい中にも、木々の蕾に春の訪れを感じる今日この頃、皆様元気にお過ごしでしょうか。今月は「温活」について調べてみました。

「温活」とは、健康を維持するために適正な体温まで基礎体温を上げる活動のことを言います。あなたの平熱は何度ですか?35℃台の方は要注意です。低体温は、便秘や肩こり、不眠等の様々な不調の原因となるだけでなく、免疫力を低下させます。免疫力の低下は、感染症にかかりやすくなり、がん等の病気を発症するリスクも増えます。体温が1℃下がると免疫力は30%以上、代謝は12%低下するといわれています。今回は、体を内側から温める習慣をご紹介します。

入浴は少しぬるめの38~40℃

寒い季節は熱いお風呂に入りたくなりますが、熱いお湯は体の表面だけを急激に温めて芯まで温まらないので、上がった後に冷めるのも早いと言われています。38~40℃のぬるめのお湯にゆっくりと浸かりましょう。さらに半身浴は、冷えやすい下半身の血行を良くして、体を芯から温めるのに効果的です。

運動は下半身を中心に

筋肉を鍛えると血液循環が良くなり、基礎体温が上がります。特に筋肉の70%は下半身にある為、スクワットやストレッチ等で下半身を鍛えるのがお奨めです。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、ふくらはぎを鍛えることによって重力によって下に溜まりがちな血液やリンパ液を心臓へ戻して、血流を活性化させ、その結果体温も上がります。仕事中やお買い物でのレジ待ち中、テレビを見ながら等、ちょっとした時間を活用して、毎日動かす事を心がけましょう。

③ 3つの首を冷やさない

首・手首・足首のことで、薄い皮膚のすぐ下を太い動脈が通っているので、冷やすと体全体が冷えてしまいます。特に首を温めると、頭と体を繋いでいる神経や血管の要所が温められ、免疫力や自律神経のバランス調整機能がアップします。タートルネックやストール、マフラー、レッグウォーマーや手袋等を上手に使いましょう。

④ 体を温める食材を選ぼう

代表的な食材は「生姜」です。生姜に含まれているジンゲロールやショウガオールは、血行を促進し体を温める働きがあります。生姜以外にも、寒い季節や地域で育つ食材、地中で育つ食材、発酵食品等が体を温めると言われています。

風邪やインフルエンザが流行るこの季節、免疫力の低下は是非とも避けたいですね。体の内側から温める生活習慣で、体温+1℃を目指す「温活」を始めてみませんか。

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№129 今月は、玄米ご飯で「桜えびと生姜の炊き込みおにぎり」にチャレンジです

炒った桜えびの香りがフワッと広がり、生姜の力で体ポカポカの炊き込みご飯は、ビタミンやカルシウム等々栄養素も豊富です。
彩も良く簡単なのでぜひお試しください♪

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◇材料(4人分)
・玄米    3合
・乾し桜えび 30g
・生姜    2片(30g)
・三つ葉   適量
・調味料   酒大4、塩小1

①玄米は一晩浸水しておく。

②フライパン(油なし)に桜えびを入れ、香りが立つまで弱めの中火で炒る。
桜えびが薄く色づき、香ばしい香りがするまで炒る。
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③生姜を千切りにする。三つ葉も適当に切っておく。
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④炊飯器に玄米、酒を加えて3合の目盛りまで水を加え塩を混ぜ生姜と②の桜えびを散らしてスイッチON。
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⑤炊きあがったら軽く混ぜ合わせ、おにぎりにして、三つ葉を散らして完成♪
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№128 玄米ご飯で「せんべい風のっけ汁」にチャレンジです。

玄米ご飯を一口大に丸めて手で押しつぶして焼くだけで簡単おせんべい風!!こんがり焼いた食感が楽しい一品です。具だくさんの汁に体も温まり、食べ過ぎて疲れた胃にもやさしい汁になりました。焼いたおせんべい入りに子供達も興味津々。面白がって食べてくれました。胃が疲れてるかな?と思った時はおススメです。お試しください♪

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腹八分目に医者いらず…

「平成」最後のお正月を迎え、プレミアムな年の始まりです。希望に満ち溢れる亥亥年(いい年)にしたいですね♪

年末年始はつい食べ過ぎる機会も多くなりがちです。今月は「食べ過ぎ」について調べてみました。「腹八分で医者いらず。腹六分で老いを忘れる。腹四分で仏(神)に近づく」という古いことわざがあるほど、大昔から食べ過ぎはよくないと言われてきました。

食べすぎ飲みすぎ、ダラダラ食べ等の暴飲暴食はいつまでも腸の中に食べ物が入っているため、腸が休まる時間がありません。腸が疲れると消化不良を起こしやすくなります。不規則な生活習慣も体にストレスを与え、腸の働きを悪くし、お腹の張りや不調の原因になります。また大切な体内酵素を、たくさん「消化」に使ってしまい、体の機能を維持するための「代謝酵素」も足りなくなってしまいます。そうならないように、消化の良い日本古来の和食を、腹八分以下に心がけましょう。

食事の後眠くなったり、動きたくない状態になっていたら腹八分目を越えた食べ過ぎサインです。ながら食いやダラダラ食い、アルコールと一緒の食事は、満腹中枢をも鈍らせてしまいます。正しい生活リズムと、ゆっくり食べてよく噛むことで満腹感を感じることも大切です。もし食べ過ぎや飲み過ぎてしまったら、翌日はデトックスやファスティングを心がけるといいですね。

最新の分子栄養学では、食べ過ぎの原因は、微量栄養素不足(ビタミンやミネラル等)もあると言われています。野菜に含まれている栄養素が昔より減ってしまっていることや、精製されたことにより、微量栄養素不足の食品が多いのが原因です。

また、食べ過ぎているのは「たんぱく質、炭水化物、脂質」の3大栄養素が多く、ビタミンやミネラルは不足しがちです。そのため「栄養過剰の栄養失調」の状態になり、お腹いっぱい食べているのに、微量栄養素が足らないことで満足できず、不足分を本能的に補おうとして、さらに食べてしまうというのです。つまり大事な事は、量ではなく質で、栄養成分のバランスがとれている食材を食べれば、脳は満足し、そこで食べることをやめられるということなのです。

それには、精製されていないもの(玄米・全粒粉・黒砂糖)や、全体食(食材を丸ごと使用するという意味で、野菜の皮をむかずに使う、根菜でも葉を用いる、小魚を丸ごと食べる)で、しっかり微量栄養素を摂取できる食事を心がけていきたいですね。

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